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聖ヴァレンティヌスの憂鬱
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    合宿最終日はバレンタインデーでした。



    その日、1年生の吾郷さんという女の子が僕にチョコを渡してきました。

    吾郷さんは優しくて元気な、とても素敵で可愛らしい女性です。

    その吾郷さんが、バレンタインデーに僕にチョコを渡してくれました。しかもみんなが見ている前だというのに。僕はその積極性に思わず少しうろたえてしまいました。あの時気の利いた返事の一つでも出来ていたらなと思いました。


    吾郷さんが僕に渡してくれたチョコを見ると、ハートの形のパッケージをしていました。そして何とそれだけでなく、happyValentine!と書かれた手書きのメッセージカードも添えてくれました。



    本気です。ど本命です。僕はそう確信しました。例え向こうがそうでなくたっていいのです。受け取った側がどう思うかが全て。だって、表現ってそういうものでしょう?



    しかしそのメッセージカード、直接ではなく合宿所内にそっと隠されてたものだったんです。彼女はチョコは直接渡すのに、そういうところは恥ずかしがり屋なんです。でもそれがまた可愛いのです。


    彼女はチョコレートを渡した後僕に、「喜んでもらえて嬉しい」と言ってくれました。その言葉で僕はさらに喜びました。喜びの無限ループ、永久機関の誕生です。喜びの生む温もりで、私にはコートもストーブも要らないのです。



    チョコレートは家に帰ってゆっくり食べます。それから1ヶ月間、吾郷さんへのお返しのことを考えて生きていきます。僕の1ヶ月を、彼女の喜びのために投げ打とうと思います。彼女の思いに僕も答えるのです。



    拝啓:1ヶ月後の吾郷さんへ。今からあなたの一番欲しいものを、渡しに行きます。






    なんて気持ちの悪い文章なんでしょう。これを皆が寝静まったバスの車内で書いていると思うとなんだか恐怖を感じてしまいます。


    こういうところが、こういうところが、ひどく気持ちが悪いのです。

    柘植智洋

    | 中大二劇 | 光朝 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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