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「オツリ、アリマスヨ」
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    この前、立川駅周辺を歩いていると「スミマセン、カンボジアノコドモタチノタメニボキンヲ…」と呼び止められた。
    そう、完全にピンポイントで呼び止めるタイプの募金だった。僕は小心者なので、断ってこの人がどんな顔をするのか色々想像してしまい、やむなく募金する事にした。財布に手を伸ばし、中を確認すると、なんと野口英世大先生がお一人とムシキングワンプレイ分ほどの小銭たちが顔を出した。

    …今募金すると死ぬ。

    僕は不意に姿を現した飢餓の恐怖に思わず震撼した。
    僕はとても恥ずかしかったが、「すみません、ちょっと今お金が無いので…」と断ろうとした。しかし、

    「オツリ、アリマスヨ」

    !!!ありがとう、助かった…。いや、全然助かっていない!なんと惨めなんだ!!消えたい…。あゝ消えたい…。どうしてこの人は募金にお釣りが必要なほどの貧乏学生からお金を奪うのか。もっとその辺にマダムっぽいババアとか沢山いるだろ!!複数の感情が頭の中を駆け巡り、普段仕事をしていない表情筋を引きつらせた。
    結局、僕は1000円札を渡し、500円玉を受け取った。凄まじい苦渋だった。しかしこのカンボジア人の男にとっては何も関係が無い。最後に握手を求められ、それに従ったが、すぐ後にズボンで手を払った。
    再び歩き出した後、怒りがこみ上げてきた。「どうせ見た目弱そうな人間を選んで声をかけているのだろう、そもそも本当に募金なのか、僕がした事は詐欺師の財布を温めただけだったのでは無いか、同情かうためにわざと片言なんじゃないのか、てかカンボジアって何処だよ、別にカンボジアの子ども達とか本当どうでもいいわ、見えないレベルの遠い存在を助ける義務なんかないわ」…とても醜い、それは承知である。が、ただひたすらイラついた。帰路につくまで暫く収まらなかった。

    でも、もう一つ考えた事がある。
    きっとそのカンボジアノコドモタチは僕の心境とは無関係にその募金活動によって幸せに近づけるんだろう。僕の500円をちょっとばかしそれを助けるんだろう。僕の心なんかガン無視である。でもそれで良いのかもしれない。

    窪田トンボ
    | 中大二劇 | 2018年度新歓公演 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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